ホワイトニングで歯を白くできますか

ホワイトニングに興味があるんですけど、調べてみると費用や効果がわかりにくくて、不安なんですが。どうなんでしょうか。

ホワイトニングという言葉は広い意味で使われることが多いので混乱するのはしょうがないですね。ホワイトニングの種類と効果を理解した上で、ホワイトニングをすることをお勧めします。

  1. ホワイトニングの種類
  2. ホワイトニングの費用
      1. オフィスホワイトニングの費用
      2. ホームホワイトニングの費用
      3. デュアルホワイトニングの費用
      4. セルフホワイトニングの費用
  3. オフィスホワイトニング
    1. オフィスホワイトニングのメリット
    2. オフィスホワイトニングのデメリット
    3. オフィスホワイトニングの施術
    4. オフィスホワイトニングの種類
        1. 過酸化水素
        2. 光照射
        3. 触媒
        4. ポリリン酸ナトリウム
    5. オフィスホワイトニングの費用
  4. ホームホワイトニング
    1. ホームホワイトニングのメリット
    2. ホームホワイトニングのデメリット
    3. ホームホワイトニングの流れ
    4. ホームホワイトニングで使用する薬剤
    5. ホームホワイトニングの注意点
    6. ホームホワイトニングの費用
  5. 市販のホワイトニング
      1. ホワイトニング歯磨き粉
      2. マウスウォッシュ
      3. ホワイトニングペン
      4. ホワイトニングシート
      5. ホワイトニングキット
      6. 歯の消しゴム
    1. 市販のホワイトニング製品の効果
    2. 市販のホワイトニング製品の安全性
    3. 市販のホワイトニング製品の注意点
  6. セルフホワイトニング
    1. セルフホワイトニングの特徴
    2. セルフホワイトニングの費用
    3. セルフホワイトニングのメリット
    4. セルフホワイトニングのデメリット
    5. セルフホワイトニングの安全性
    6. セルフホワイトニングサロンの特徴
  7. 過酸化水素とは
    1. 過酸化水素のホワイトニングのメカニズム
    2. オフィスホワイトニングとホームホワイトニングにおける過酸化水素
    3. 過酸化水素使用の注意点と安全性
    4. 市販のホワイトニング製品と過酸化水素

ホワイトニングの種類

メリットデメリット
オフィスホワイトニング・即効性がある
・高い漂白効果:
・歯科医院での施術
・費用が高額である
・知覚過敏が起こる可能性がある
・後戻りしやすい傾向がある
ホームホワイトニング・好きな場所・好きな時間にできる手軽さ
・白さが長持ちする傾向がある
・自然な仕上がり
・知覚過敏が起こりにくい
・歯の内部まで白くなる
・即効性がない
・自分で行うので自己管理が必要
・マウスピースを作る必要がある

なるほど。オフィスホワイトニングとホームホワイトニングによって、違いがあることがわかるとイメージできるようになりました。あとは、費用面が心配です。

費用は歯科医院によっても違いがありますが、参考までにお伝えしますね。

ホワイトニングの費用

施術方法や歯科医院、使用する薬剤などによって大きく異なります。主なホワイトニング方法ごとの費用相場は以下の通りです。

オフィスホワイトニングの費用

  • 1回あたりの費用: 約2万円~7万円程度
  • 歯科医院によって料金設定は大きく異なります。
  • 複数回の施術が必要となる場合もあります。
  • ホワイトニング専門の歯科医院では、比較的安価なプランが用意されていることもあります。

ホームホワイトニングの費用

  • マウスピース作成費用: 約1万円~1万5千円程度
  • ホワイトニングジェル: 1本あたり約2千円~3千円程度
  • ジェルは追加購入が必要になる場合があります。

デュアルホワイトニングの費用

  • オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する方法で、約5万円~10万円程度が目安です。
  • より高い効果と持続性が期待できますが、費用も高くなります。

セルフホワイトニングの費用

セルフホワイトニングは歯科医院ではなく、サロンなどでの施術になります。施術は自分で行うのが特徴です。

  • サロンでの施術: 1回あたり約2千円~5千円程度
  • 自宅用キットや歯磨き粉: 数百円~数万円程度

オフィスホワイトニング

歯科医院で行うホワイトニングです。

  • 高濃度の薬剤と専用の光照射器などを使用し、短期間で歯を白くすることができます。
  • 通常、1回の施術で効果を実感しやすいですが、効果の持続期間は個人差があります。
  • 歯科医師や歯科衛生士による施術なので、安全性が高いと言えます。

オフィスホワイトニングのメリット

  • 短期間で効果を実感しやすい: 高濃度の薬剤を使用するため、1回の施術でも効果を実感できる場合があります。
  • 歯科医師や歯科衛生士による施術: 専門家による施術なので、安全性が高く、安心して任せることができます。
  • ムラになりにくい: 専門的な技術で均一に薬剤を塗布するため、ホワイトニング効果にムラが出にくいとされています。
  • 他の歯科治療と併用しやすい: 必要に応じて、虫歯治療や歯周病治療などと並行して行うことができます。
  • 濃度の高い薬剤が使用可能: 歯科医院のみで使用できる濃度の高い薬剤を使用できるため、より高いホワイトニング効果が期待できます。

オフィスホワイトニングのデメリット

  • 費用が高い: ホームホワイトニングや市販のホワイトニング製品に比べて費用が高くなる傾向があります。1回の施術あたり2万円~7万円程度が相場です。
  • 色戻りが比較的早い: 効果の持続期間は個人差がありますが、一般的にホームホワイトニングよりも色戻りが早いと言われています。
  • 施術時に痛みを感じることがある: 高濃度の薬剤を使用するため、一時的に歯がしみたり、痛みを感じたりする場合があります。
  • 通院が必要: 複数回の施術が必要となる場合があり、通院の手間がかかります。
  • 奥歯の施術が難しい場合がある: 光照射器の種類によっては、奥歯のホワイトニングが難しいことがあります。

オフィスホワイトニングの施術

オフィスホワイトニングのタイムライン
  • カウンセリング

    歯科医師や歯科衛生士が歯の状態や希望の白さを確認し、ホワイトニング方法や注意点について説明します。

  • 歯のクリーニング

    歯の表面の汚れ(歯垢や歯石)を落とします。

  • 歯肉の保護

    歯肉に薬剤が付着しないように保護材を塗布します。

  • ホワイトニング薬剤の塗布

    歯の表面にホワイトニング薬剤を丁寧に塗布します。

  • 光照射

    専用の光照射器を照射し、薬剤の活性化を促します。

  • 薬剤の除去と再塗布(複数回行う場合あり)

    薬剤を拭き取り、必要に応じて再度薬剤を塗布し、光照射を行います。

  • チェック

    保護材を除去し、歯の状態や白さを確認します。

オフィスホワイトニングの種類

オフィスホワイトニングには、使用する薬剤や光照射、触媒などによっていくつかの方式があります。

過酸化水素

最も一般的な方法で、高濃度の過酸化水素を含む薬剤を使用します。

光照射

薬剤を活性化させるのに光照射を行います。ハロゲンライト照射。LED照射、レーザー照射などがあります。

触媒

酸化チタンを触媒として含むことで、光触媒による効果でホワイトニングを行います。

ポリリン酸ナトリウム

ポリリン酸ナトリウムを含む薬剤が歯の表面をコーティングしながらホワイトニングを行います。

歯科医院によって採用している方式や薬剤が異なるため、事前に確認することをおすすめします。

オフィスホワイトニングの費用

オフィスホワイトニングの費用は、歯科医院や施術範囲、使用する薬剤や機器によって大きく異なります。一般的には、1回の施術で2万円~7万円程度が目安となります。複数回の施術が必要な場合や、追加の処置(クリーニングなど)が必要な場合は、さらに費用がかかることがあります。

ホームホワイトニング

歯科医院でマウスピースを作成してもらい、自宅で低濃度の薬剤を使って行うホワイトニングです。

  • オフィスホワイトニングに比べて、効果が現れるまでに時間がかかりますが、白さの持続期間が長い傾向があります。
  • 自分のペースでホワイトニングを進めることができます。
  • 歯科医師の指示に従って、安全に注意して行う必要があります。

ホームホワイトニングは、歯科医院で作成したカスタムメイドのマウスピースと、歯科医師の指示に基づいた低濃度のホワイトニングジェルを使って、自宅で行うホワイトニング方法です。

ホームホワイトニングのメリット

  • 自分のペースでできる: 自宅で好きな時間に、都合の良いタイミングでホワイトニングを進めることができます。
  • 比較的費用が抑えられる: オフィスホワイトニングに比べて、一般的に費用が安く済みます。マウスピースの作成費用とジェル代がかかります。
  • 白さの持続期間が長い傾向がある: 低濃度の薬剤でじっくりと時間をかけてホワイトニングするため、色戻りが比較的緩やかだと言われています。
  • 知覚過敏が起こりにくい: 低濃度の薬剤を使用するため、オフィスホワイトニングに比べて知覚過敏のリスクが低いとされています。
  • メンテナンスに利用できる: オフィスホワイトニング後の白さを維持するためのメンテナンスとしても有効です。

ホームホワイトニングのデメリット

  • 効果が現れるまでに時間がかかる: オフィスホワイトニングのように即効性はありません。効果を実感するまでに数週間から数ヶ月かかる場合があります。
  • 毎日継続する必要がある: 効果を得るためには、歯科医師の指示に従い、毎日決められた時間マウスピースを装着する必要があります。
  • 手間がかかる: 毎回のジェル注入やマウスピースの洗浄など、手間がかかります。
  • 自己管理が必要: 薬剤の量や装着時間を守るなど、自己管理が重要になります。
  • マウスピースの装着に違和感がある場合がある: 最初はマウスピースの装着に慣れない場合があります。

ホームホワイトニングの流れ

ホームホワイトニングのタイムライン
  • 歯科医院でのカウンセリングと口腔内チェック

    歯科医師が歯の状態や希望の白さを確認し、ホームホワイトニングの方法や注意点について説明します。

  • 歯のクリーニング

    タイトル歯の表面の汚れ(歯垢や歯石)を落とします。

  • 歯型採取

    ホワイトニング用のカスタムマウスピースを作成するために、歯型を採取します。

  • マウスピースの受け取りと使用方法の説明

    後日、完成したマウスピースを受け取り、歯科医師または歯科衛生士からホワイトニングジェルの使用方法や装着時間、注意点などの説明を受けます。

  • 自宅でのホワイトニング

    指示された通りにマウスピースにホワイトニングジェルを注入し、決められた時間装着します。

  • マウスピースの洗浄と保管

    使用後はマウスピースを丁寧に洗浄し、清潔な状態で保管します。

  • 定期的なチェック

    歯科医師の指示に従い、定期的に歯科医院で歯の状態やホワイトニングの効果を確認してもらいます。

ホームホワイトニングで使用する薬剤

ホームホワイトニングで使用するホワイトニングジェルの主成分は、過酸化尿素や過酸化水素です。オフィスホワイトニングで使用する薬剤よりも濃度が低く、徐々に歯を白くしていきます。歯科医院によって取り扱っているジェルの種類や濃度が異なります。

ホームホワイトニングの注意点

  • 必ず歯科医師の指示に従う: 自己判断で使用方法や装着時間を変更しないようにしましょう。
  • マウスピースは清潔に保つ: 使用後は必ず洗浄し、乾燥させてから保管しましょう。
  • 薬剤を飲み込まないように注意する: ジェルは少量を使用し、装着時に溢れ出た場合は拭き取りましょう。
  • 知覚過敏が出た場合は使用を中断し、歯科医師に相談する: 一時的な知覚過敏が起こることがありますが、症状が続く場合は歯科医師に相談してください。
  • 妊娠中や授乳中の方、重度の歯周病の方は使用を控える: 該当する場合は、必ず歯科医師に相談してください。

ホームホワイトニングの費用

マウスピース作成費用は約1万円~1万5千円程度です。ホワイトニングジェルは初回に数本ついてくることが多いです。

マウスピース作成とホワイトニングジェル数本をセットでホームホワイトニングの費用として2~3万円程度です。

ジェルは追加購入が必要になる場合はホワイトニングジェル1本あたり約2~3千円程度です。

市販のホワイトニング

手軽に入手できるため、自宅で気軽にホワイトニングを試したい方にとって選択肢の一つとなります。しかし、歯科医院で行うホワイトニングとは効果や安全性に違いがあることを理解しておく必要があります。

ホワイトニング歯磨き粉

まれています。研磨剤や、歯の表面に付着した汚れを浮かせるポリリン酸ナトリウムなどが配合されているものがあります。

マウスウォッシュ

歯磨き後のすすぎとして使用することで、着色汚れの付着を防ぐ効果が期待できます。

ホワイトニングペン

歯の表面に直接薬剤を塗布するタイプです。部分的な着色に使いやすいですが、全体的なホワイトニング効果は限定的です。

ホワイトニングシート

漂白成分を含むシートを歯に貼り付けるタイプです。海外製品には比較的漂白効果のあるものも存在しますが、日本では未認可の製品が多いです。

ホワイトニングキット

ホワイトニングジェルを塗布した後、LEDライトを照射するタイプです。製品によっては漂白効果を謳っているものもありますが、科学的な根拠が乏しい場合もあります。

歯の消しゴム

歯の表面の小さな着色汚れを物理的に落とすものです。歯が削れるリスクがあります。

市販のホワイトニング製品の効果

  • 市販のホワイトニング製品の主な目的は、歯の表面の着色汚れ(ステイン)を除去し、歯本来の白さに近づけることです。
  • 歯科医院で使用するような、歯の内部の色素を分解して歯そのものを白くする漂白効果のある成分(高濃度の過酸化水素や過酸化尿素)は、日本では薬事法により市販品への配合が規制されています。
  • そのため、市販の製品だけで、歯科医院のホワイトニングのような顕著な白さを得ることは難しいと言えます。
  • ホワイトニング歯磨き粉やマウスウォッシュは、日々のケアとして着色汚れの予防や、歯科医院でのホワイトニング後の白さの維持に役立つと考えられます。

市販のホワイトニング製品の安全性

  • 日本で市販されているホワイトニング製品は、国内の規制に基づいて販売が許可されているため、基本的には安全であると考えられます。
  • しかし、研磨剤が多く含まれる歯磨き粉を強く磨きすぎると、歯の表面のエナメル質を傷つけ、知覚過敏を引き起こしたり、着色汚れが付きやすくなったりする可能性があります。
  • 海外製のホワイトニングシートやジェルには、日本の基準よりも高濃度の漂白成分が含まれている場合があり、歯や歯茎に刺激を与えるリスクがあります。使用する場合は、成分や使用方法をよく確認し、異常を感じたらすぐに使用を中止することが重要です。

市販のホワイトニング製品の注意点

  • 効果には個人差があることを理解しておきましょう。着色汚れの程度や歯の質によって、効果の現れ方は異なります。
  • 使用方法を必ず守りましょう。特に、ホワイトニングシートやジェルは、使用時間や頻度を守らないと、歯や歯茎に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 歯や歯茎に異常を感じたら、すぐに使用を中止し、歯科医師に相談しましょう。
  • 市販のホワイトニング製品は、詰め物や被せ物の色を変えることはできません。
  • 過度な期待は禁物です。市販品だけで、劇的なホワイトニング効果を得ることは難しいと考えましょう。
  • 特に海外製の製品を使用する場合は、成分や濃度を慎重に確認しましょう。日本の基準と異なる場合があります。
  • 歯磨き粉を選ぶ際は、低研磨性のものや研磨剤不使用のものを選ぶと、歯への負担を軽減できます。

セルフホワイトニング

ホワイトニングサロンなどの専門店に行き、自分でホワイトニングの施術を行う方法です。歯科医院で行うホワイトニングとはいくつかの点で異なります。

セルフホワイトニングの特徴

  • 施術は自分で行う: スタッフは資格を持たないため、施術のアドバイスやサポートは行いますが、直接口の中に触れることはありません。
  • 使用する薬剤は 歯科医院で使用する過酸化水素などの漂白効果のある薬剤は使用できません。一般的に、歯の表面の汚れを落とすことを目的とした薬剤(ポリリン酸ナトリウムなど)が使用されます。

セルフホワイトニングの費用

歯科医院のホワイトニングに比べて、比較的安価な場合が多いです

セルフホワイトニングのメリット

  • 費用が比較的安い
  • 自分のペースで通いやすい
  • 施術時間が比較的短い
  • 痛みが少ないとされる
  • 食事制限がない場合が多い

セルフホワイトニングのデメリット

  • 歯そのものを白くする効果は期待できない: 歯の表面の着色汚れを除去し、本来の歯の色に戻すことが主な目的です。
  • 効果に個人差がある: 元々の歯の色や着色の程度によって効果は異なります。
  • 色ムラのリスクがある: 自分で薬剤を塗布するため、均一に塗布できず色ムラになる可能性があります。
  • 口腔内の状態を専門家に確認してもらえない: 虫歯や歯周病がある場合、悪影響を及ぼす可能性があります。
  • トラブルが起きた際の責任は自己にある
  • 歯科医院のホワイトニングに比べて白さの持続期間が短い傾向がある

セルフホワイトニングの安全性

日本国内で販売・提供されているセルフホワイトニングの薬剤は、法規制に基づいており、比較的安全性が高いと考えられています。しかし、以下のような点に注意が必要です。

  • 使用方法を誤ると、歯や歯茎に刺激を与える可能性があります。
  • 海外製の製品には、高濃度の漂白成分が含まれている場合があり、危険です。
  • 虫歯や歯周病がある状態でホワイトニングを行うと、症状を悪化させる可能性があります。

セルフホワイトニングサロンの特徴

  • 資格を持たないスタッフが対応します。
  • 過酸化水素などの漂白剤は使用できません。
  • 施術は利用者が自分で行います。
  • 比較的低価格でサービスを提供していることが多いです。
  • 店舗によっては、短時間での施術が可能です。

過酸化水素とは

歯科医院で行われるホワイトニングにおいて、歯を白くするための非常に重要な役割を果たしています。

過酸化水素のホワイトニングのメカニズム

  • 分解と活性酸素の発生: ホワイトニングジェルに含まれる過酸化水素は、歯の表面や内部で分解され、活性酸素(フリーラジカル)と水(H₂O)を生成します。この分解は、光や熱によって促進されることがあります(オフィスホワイトニングの場合)。
  • 色素の分解: 発生した活性酸素は、歯の着色の原因となっている有機物(色素)と結合し、酸化反応を起こします。
  • 無色化: 酸化反応によって、着色物質は低分子化され、無色透明な物質へと分解されます。これにより、歯が白く見えるようになります。
  • マスキング効果: 過酸化水素は、エナメル質の表面構造を変化させる効果もあります。これにより、光の乱反射が起こり、象牙質の黄色味が透けて見えにくくなるマスキング効果も期待できます。

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングにおける過酸化水素

  • オフィスホワイトニング: 歯科医院では、高濃度(15%~40%程度)の過酸化水素を含む薬剤が使用されます。歯科医師や歯科衛生士の管理のもと、短時間で効果的なホワイトニングが可能です。歯肉保護などの処置も行われるため、比較的安全に高濃度の薬剤を使用できます。
  • ホームホワイトニング: 自宅で行うホームホワイトニングでは、過酸化尿素を主成分とするジェルが用いられます。過酸化尿素は、口腔内で徐々に分解されて過酸化水素と尿素に変化し、穏やかにホワイトニング効果を発揮します。過酸化水素の濃度に換算すると、一般的に3%~10%程度と低濃度です。

過酸化水素使用の注意点と安全性

  • 濃度管理の重要性: 高濃度の過酸化水素は、歯や歯茎に刺激を与える可能性があります。そのため、歯科医師の指導のもと、適切な濃度と使用方法を守ることが重要です。
  • 知覚過敏: ホワイトニング施術後、一時的に歯がしみることがあります。これは、過酸化水素が象牙細管に浸透し、歯髄を刺激するためと考えられています。多くの場合は一時的なものですが、症状が続く場合は歯科医師に相談しましょう。
  • 歯茎への影響: 薬剤が歯茎に付着すると、炎症や腫れを引き起こすことがあります。オフィスホワイトニングでは歯肉保護を行いますが、ホームホワイトニングではマウスピースが適合しているか確認し、ジェルが歯茎に触れないように注意が必要です。
  • 無カタラーゼ症: まれな遺伝性疾患である無カタラーゼ症の方は、過酸化水素を分解する酵素がないため、ホワイトニングを行うことができません。口腔内の壊死などを引き起こす可能性があります。

市販のホワイトニング製品と過酸化水素

日本の薬事法では、過酸化水素を主成分とする漂白効果のあるホワイトニング製品は、歯科医師または歯科衛生士の指導・管理の下でのみ使用が認められています。そのため、市販の歯磨き粉やホワイトニング剤には、過酸化水素または過酸化尿素を高濃度で配合することはできません。市販の製品は、主に歯の表面の着色汚れを除去する目的の成分が配合されています。

過酸化水素は、歯科医院で行われるホワイトニングにおいて、歯を白くするための主要な成分です。オフィスホワイトニングでは高濃度で使用され、短期間で効果を発揮します。ホームホワイトニングでは、過酸化尿素として低濃度で使用され、時間をかけて穏やかに効果をもたらします。安全にホワイトニングを行うためには、歯科医師の指導のもと、適切な濃度と使用方法を守ることが非常に重要です。